
この記事ではメンタリストとしておなじみDAIGOさんの『超集中力』の要約を行います。
ちなみに本書の出版は2016年5月、僕が購入したのが第7版の2016年9月なので、もう購入してから3年半がたちます。
当時購入した理由は、同じ時間働いているのに成果の質と量が自分と比べものにならない同僚に追いつきたい、といった気持からです。
そして、本書を読んで分かったことは『そもそも人は長時間集中し続けてられないようにできている』ということ。
僕があこがれた先輩も『集中力をコントロールして、その力を大事な場面で効率的に使っている』ということがよくわかりました。
特にポモドーロテクニック、これは今なお積極的に取り入れている、本書から学んだ集中術です。
そのほか、生活に取り入れることが可能な工夫が数多く収録されています。
その内容を、僕なりに実施しもう一度読み直したうえでいくつかのポイントに分けて紹介したいと思います。
本書の特徴
本書の著者であるメンタリストのDAIGOさんですが、TVタレントとしても活動をはじめ、
経営アドバイザーや講演活動、またニコニコ動画・YouTubeの配信(総再生数は2020年2月の段階でなんと3.41億。。。笑)など様々な方面で活躍されている方です。
そしてその傍ら1日10~20冊の読書という膨大なインプットを行っていると明言したうえで、
そういった活動を支えているのが、脳科学や心理学に基づいた集中力をコントロールする習慣にあると本書では紹介しています。
個人的に本書が30万部を超えるベストセラーとなった要因は、
集中力を高める具体的な方法と、生活の中で実施できる提案をしてくれたことにあるのではないかと感じます。
おすすめなのはこんな人
こんな方におすすめ
- 日常的に疲れを感じる
- 集中力が続かずほかの事に意識がそれてしまう
- 同じ時間仕事をしているのに、ほかの人より成果が少ない
- やりたいことがあるけど、まとまった時間が中々とれない
本書の一番のテーマは『集中力はコントロールできる』という点に尽きると思います。
そしてそのテーマに沿った様々な方法が提案されていますが、すべて書くと膨大な量になりますので、3つのポイントでまとめ紹介していきたいと思います。
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1集中力の鍛え方
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2集中力の使い方
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3集中力の節約方法
この記事では『集中力の鍛え方』にスポットを当てていきたいと思います。
まずは「集中力」の正体を知ること
本書では、集中力について、生まれ持ったもの・才能などではなく、「作り方」があるといいます。
集中力には「つくり方」があります。遺伝も性格も関係ありません。
ましてや才能も根性も必要ありません。
そんな不安定なものに頼るよりも、正しい理論を身につけ、トレーニングすることです。
『超集中力』 P26 ~集中力を自在に操る3つのルール~ より
そしてトレーニングを行う上で、「知っておかなければならないこと」があります。
それが「集中力の源」についてです。
集中力の源は、額から2~3センチ奥の前頭葉にあります。
この前頭葉こそ、人間の思考や想像力といったものを担う、いわば脳の最高中枢といった機関です。
人間はその進化の過程で前頭葉が大きくなり、他の動物にはない『ウィルパワー』という力を獲得しました。
◆ウィルパワー
主に思考や集中力をコントロールする力。
前頭葉の「体力」のようなもので、一定の量があり、集中する度に消耗する。
睡眠や食事の方法で補給することも可能。
この「ウィルパワー」には2つの特徴があります。その特徴が以下です。
特に②が重要です。
私たちは自然と場面場面で使う集中力は別にあると考えがちです。
どういうことかというと、仕事は仕事、スポーツはスポーツ、と別の集中力を使っているように思いますが、脳科学的にはどちらも同じウィルパワーを消費しています。
したがって全く関係のない日常の行動でも実は集中力を消費している、ということが往々にしてあるのです。
そのことについては『集中力を節約する』で詳しく触れていきたいと思います。
本記事では『ウィルパワー』の上限を増やす「集中力の鍛え方」をみていきたいと思います。
集中力を鍛える3つの方法
集中力を鍛えるポイントを3つに分類して紹介します。
それが「集中力を向上させる環境」「集中力を向上させる姿勢」「集中力を向上させる習慣」です。
集中力を向上させる環境
色彩心理学で自分を誘導
突然ですが、もし勉強机に置くペン立ては、次のうちどれが一番いいと思いますか?
①赤色のペン立て
②水色のペン立て
③黄色のペン立て
『集中力』という観点で選ぶなら②水色のペン立てが最適だそうです。
その理由は「水色には集中力を高め、体感時間を短くする効果がある」と言われているためです。
こういった色が与える影響は「色彩心理学」として理論化されています。
色が心に与える影響
赤色・・・闘争心をかきたてる
黄色・・・注意力を喚起
緑色・・・リラックスに最適
もちろんアイテムはペン立てでなくても構いません。
大切なのは取り巻く環境に「集中力を起動させるエンジン」を配置することです。
散らかる部屋では自分を見失う
環境が与える影響は色だけではありません。
本書に以下の内容の実験について書かれています。
メモ
散らかった部屋に集められたAのグループと、きれいに片付いた部屋に集められたBのグループに、
同じ作業を同じ時間行ってもらったあと、「どれだけ自分の自制心を保てるか」というテストを受けてもらう。
その結果、Bのグループに比べ、散らかった部屋で作業をしていたAのグループの人たちのほうが、気が散りやすく集中力がなくなっているという結果になった。
これは、部屋に何か障害となるものがあると、不安や恐怖などの感情をつかさどる『偏桃体』が反応してしまうからだそうです。
逆に、部屋や机がきれいに保たれていると、集中の妨げる要素がそれだけ減ることになります。
作業に応じて選ぶ「光」と「音」
環境で最後に紹介するのは「光」と「音」です。
スマホやPCの放つブルーライト、あまりいい印象を持たれないこのブルーライトですが、実は昼間に浴びると集中力、分析能力、思考力を高めてくれることがわかっています。
その他青い光には心理的回転能力(頭の中で立体物をイメージしながら動かす能力)を高めてくれます。
このことを考えると、「魔の昼過ぎ」、昼食後の睡魔が襲ってくる時間帯には青い光を浴びることはとても効果的と言えます。
逆に白熱電球などの黄色い光の下では、クリエイティビティがアップするそうです。
次は音です。
音に関しての興味深い研究が、本書に記載されています。
メモ
被験者を「図書館くらいの静かな場所」「カフェくらいのうるさい場所」「工事現場くらいのうるさい場所」の3グループに分け、
それぞれアイデアや企画立案など創造性が求められる作業を実施してもらった。
そのうち最もいい結果が出たのは、カフェくらいのうるさい場所。
しかも、思索に適していると思われる図書館くらいのうるさい場所は工事現場くらいのうるさい場所の結果ははぼ同じ、というデータが出た。
上記から分かることは、何かアイデアを出す場所は少し騒音があるくらいがちょうどいい、ということ。
ただ、インプットに関しては静かな環境の方が適している、といいます。
大切なのは、行う作業に合わせて「光」と「音」を選ぶことです。
集中力を向上させる姿勢
集中力を生み出す「正しい姿勢」
集中力を向上させる方法は、何気ない毎日の姿勢のよっても変化します。
その理由は脳の仕組みにあります。
集中力の源であるウィルパワー。それを司る前頭葉(脳)のエネルギー源はブドウ糖と酸素です。
そして、この2つを脳に送り届ける役割を担っているのが、「血流」です。
『超集中力』 第2章 ~高い集中力を生み出す7つのエンジン~ P89より
その血流は正しい姿勢によって効率的に循環します。
逆に悪い姿勢のまま作業をしていると、血流が悪くなり集中力を低下させる原因になります。
作業中、以下のチェックリストを思い返し、良い姿勢を保つ癖をつけましょう。
悪い姿勢チェックリスト
- 背中が丸まっている
- ひじ掛けやデスクに肩ひじを突いている
- 腰が伸びてしまっている
- 足を組んでしまう
「立ち上がる」で生産力向上
本書の著者であるDAIGOさんは、通常座って行う読書などもたってやるのが一番いい、と提唱しています。
その理由は様々で、例えば人は15分以上座っていると、認知力・集中力が低下することがわかっているほか、
1日6時間椅子に座っている生活を続けている人は、たとえ日常的に運動する習慣を持っていたとしても、1日3時間しか座らない生活の人に比べ15年以内に死亡するリスクは40%も高い、などなど。
ただ、だからといって中々職場で一人立ったままデスクワークをするのは難しい場合もあります。
そんな方には、15分に1回程度のペースで一旦椅子から立ち上がることをおすすめしています。
そうすることで、脳に新しい刺激が伝わり、集中力を持続させる効果が得られるそうです。
集中力を向上させる習慣
集中力が向上する「ちょうどいい運動」
集中力を向上させる方法は環境や姿勢だけではありません。
著者であるDAIGOさんが最も興味を惹かれ、実践している集中力を高める行動が「運動」だそうです。
ジョージア大学で行わえた運動と脳の研究によると、
20分の軽い運動をした後の3~4時間は認知能力、集中力や考察力が高まることがわかっています。
運動によって脳の血流が改善され、意欲、学習などに関わるドーパミンを放出。
集中力を持続させるだけでなく、ウィルパワーの回復にも役立ちます。
『超集中力』 第2章 ~高い集中力を生み出す7つのエンジン~ P142より
また、運動には脳そのものを強化する効果、また、運動後清々しく感じるのは気のせいではなく、運動には感情をポジティブな方法に持っていく効果があるそうです。
なので集中力向上のためだけではなく、気持ちを切り替えたいときも運動は最適ということになります。
自分を監視して集中力アップ!
先述した「姿勢」にも関連することですが、日常的にできる集中力トレーニングとして「自分を監視する」という方法があります。
その「自分を監視する」とは、日頃、無意識に行っている行為を「やらないようにすること」は強い集中力を必要とします。
誰でも何らかの癖、というものがあります。例えば考え事をするとつい足を組んでしまう、といったものです。
注意してもついやってしまうその癖を意識的にしないように自分を監視する、これを「セルフモニタリング効果」と呼ばれ、
無意識の行動に「はっ」と気づき、改めることを繰り返せばその分ウィルパワーを鍛えることができます。
ポモドーロで集中する癖をつける!
集中して作業をしながら同時に訓練にもなる方法があります。
それが『ポモドーロテクニック』といい、これは「25分の集中と5分の休憩を繰り返す」という時間管理術です。
その方法はとてもシンプルで、行う作業を細かく分割、5分刻みで25分の作業を繰り返すわけですが、
短時間で集中状態に入るための訓練にもなり、続けてるごとに注意力、集中力が強化されます。
またこのポモドーロテクニックを行うためのツールで「ポモドーロタイマー」も多く存在します。
そのポモドーロタイマーの紹介を以下の記事で行っていますので興味のある方はご一読いただければありがたいです!
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ポモドーロタイマー「Strict Workflow」と「 Focus To-Do」を試してみた!
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この記事はこれで以上になります。
この記事で紹介した内容以外も実践できる様々な方法が『超集中力』には記載されていますので、これから目標をもって勉強などされる方にはぜひおすすめです。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。