
この記事では「DAWで学ぶリズム打ち込み入門」より、音作り・音の加工について紹介していきます!
本記事の内容
・ドラム音エディットの基礎は「ピッチ変更」と「エンベロープ操作」
・ピットを変更するとビートにどんな変化が生まれるか
・エンベロープの操作方法おさらい
DAWにおけるドラムの音作りはかなり幅が広く、有料のドラム音源の中には、マイク位置や本数設定など多機能です。
そういった機能を駆使して、ジャンルにあった音作りができれば作成できる楽曲の幅が広がります。
本記事では音の加工の基本である「ピット」と「エンベロープ」について解説します。
また、ドラム音源「Battery4」「BFD3」「SessionDrummer」で実際に音を加工して、どう変化するかも紹介していきたいと思います。
それでは、どうぞ!
ドラム音のエディット
先にも紹介した通り、ドラムの音作りの基本は2つ、「ピッチ」と「エンベロープ」です。
この2つの機能をサンプル音源とともに見ていきたいと思います。
なお、サンプルに使用しているドラム音源はNIのBattery4のプリセット「Techno Wekinger Kit」を使用しています。
加工前のサンプル音源
エディットを始める前に加工前のサンプル音源を掲載しておきます。
パターンはいたってシンプルな4つ打ちのリズムです。
・サンプル音源
ピッチを変える
まずは「ピッチ」の変更による加工を見ていきたいと思います。
ギターやピアノをやっている人はなじみ深いピッチですが、ドラムにもピッチは存在します。
実際にピッチを変えたときの音の変化を見ていきたいと思います。
それでは先に紹介したサンプル音源からピッチを変えていきたいと思います。
ピッチの変更機能はドラム音源によって多少異なりますが、Battery4の場合は主に「Pitch Envelope」でピッチの変更ができます。
右側の「Amount」でどれくらいピッチを変更するか、その度合いを決めます。
左側に傾けるとピットは遅くなり、右側に傾けるとピッチは速くなります。
左側の「Decay」で変更したピッチを適用させる長さを決めます。
以下がピッチを変更したサンプル音源です。
キックドラムとオープンハイハットのピッチを落とし、スネアとクローズハイハットのピッチを上げました。
その分加工前の音源と比べるとそれぞれの音がはっきり聞こえるようになったと思います。
このようにピッチを変えるだけで同じパターンでも聞こえ方が大きく違ってきます。
エンベロープを変えてみる
ドラムの音作りの基本はピッチの他に「エンベロープ」があります。
このエンベロープ、ドラム以外にもシンセサイザーには基本的に備わっている「時間経過による音の変化」を決めることができる機能です。
シンセサイザーの場合、主に「ADSR」という4つの値を設定することで音の変化をつけていきます。
A:アタック・タイム
打鍵後、音が最大音量になるまでの時間
D:ディケイ・タイム
最大になった音が減衰して一定のレベルになるまでの時間
S:サスティン・レベル
持続するときの一定レベルの音量
R:リリース・タイム
鍵盤を離してから音が消えるまでの時間
そしてドラム音源の場合は、上記に加えて「ホールド」という値が設けられていることがあります。
ホールド(HOLD)
アタックの最大音量をキープする時間
以下がエンベロープを変更したサンプル音源です。
全体的にアタックを絞り、ホールドを長くとって、ディケイとリリースを絞ることで、より機械的なサウンドになったと思います。
基本的にドラムのエンベロープはシンセサイザーほど長い時間の変化を操作するものではありません。
ただ、短い音だからこそ、少しの変化で聴く人に全く違う印象を与えることができるのも事実です。
おわりに
以上がピッチ、エンベロープを使用したドラムサウンドの作り方でした。
ドラムサウンドのエディットはピッチとエンベロープに限らずドラム音源によって様々ですが、この機能は基本的にどんなドラム音源でも備わっており、ミックス時にも重宝します。
使いどころを抑えて、楽曲にあったサウンドメイクを行いましょう。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました!