
2019年ベストセラー書籍『メモの魔力』の内容と情報についてまとめました!
今回紹介する『メモの魔力』はSHOWROOM株式会社代表取締役社長の前田祐二さんによる、人生を変えるメモ術が収録されたビジネス書籍です。
本記事の内容
・メモの魔力の情報まとめ
・メモの魔力を読んで得られる能力
・メモの魔力読了後に取るべきアクション
2018年12月25日に発売し、2019年のビジネス書籍売り上げNo1(推定売上部数412,650部)のベストセラーとなり各メディアでも取り上げられました。
著者である前田裕二さんがいかにして巨大プラットフォーム『SHOWROOM』を立ち上げたか、その一因であるメモ術が紹介されています。
この記事では「メモの魔力」を読んで得られるメリットと読了後に行うことをまとめました!
また、本書は様々なメディアで取り上げられており、その紹介も行いたいと思います。
それでは本書の抜粋とともにその内容を見ていきます。
人生を変える「メモの魔力」。その魅力が少しでも多くの方に伝われば幸いです。
それは、この「魔法の杖なんてない」と言われる世知辛い社会において、メモこそが自分の人生を大きく変換した「魔法の杖」であると直感しているからです。
そして、今後も、その魔力で僕の人生を良い方向へと導いてくれるだろう、という確信があるからです。
『メモの魔力』 序章より
目次
『メモの魔力』の情報まとめ
著者の基本情報
前田裕二さんについて
前田裕二(まえだゆうじ)、1987年6月23日生まれ。
ライブストリーミングサービス「SHOWROOM」を運営するSHOWROOM株式会社の代表取締役社長を務められています。
前田さんは若くして両親を失い、ギター弾き語りの路上ライブで生計を立てていたという、決して順風満帆とは言えない幼少期を過ごされてきたそうです。
しかし、その頃から「どうすればお客さんが集まってくれるか」「どうすればリピーターになってくれるか」ということを考え続け、ノートに綴り続けたそうです。
その経験がライブを中継しストリーミングという形で配信する「SHOWROOM」というサービスの下地になり、今に生かされているといいます。
そんな彼の長きに渡るPDCAの成果と試行錯誤が詰まった本が、本作「メモの魔力」の最大の魅力です。
メモの魔力が話題を呼んだ要因
メモの魔力がなぜここまで人気を呼びベストセラーとなったのか。
本書に掲載されている内容が素晴らしいということももちろんですが、それ以外にも本書編集者の箕輪厚介さんの存在も大きいと思います。
箕輪厚介さんといえば堀江貴文さんの「多動力」やメディアアーティスト・発明家として注目を集める落合陽一さんの「日本再興戦略」など様々な話題作を世に生み出した指折りの人気編集者です。
また、本人も作家として書籍を出版しており、「死ぬこと以外かすり傷」は10万部越えのベストセラー書籍となっています。
前田裕二さんのメモ術の魅力もさることながら、敏腕編集者である箕輪さんが編集を行ったことも、本書がベストセラーとなった要因の一つだと思います。
メモの魔力がおすすめなのはこんな人
こんな方におすすめ
- 仕事、趣味での創作活動に伸び悩みを感じている
- 自分の本当に好きなことが分からない
- メモの必要性を感じつつも、何から始めればいいか分からない
- メモの必要性は分かっているが、継続する自信がない
- ビジネス書を読んで、「ためになった」と感じるが、ちゃんと活かせているか不安
- 友達に自分の意見や経験を話したとき、「要するにどういうこと?」と言われることが多い
ちなみに僕はメモの魔力を読む前は上記ほとんど当てはまる人でした。
特にメモの継続については本当に自信がなく、メモの魔力を手に取った理由も、「メモが上手にとれるようになるためのノウハウを知りたい」といったものでした。
しかし本書では、一番大切なのはメモのノウハウではなく、メモを通じて「叶えたい夢との向き合う」という姿勢こそが、メモを魔法のツールたらしめる一番の要因であると説きます。
我々が持つ多くの願望は、その程度のものです。それを防ぐのが、メモです。
そうした夢、願いを紙に書きつけることで、その思いは格段に強くなります。
紙に書いたものを、何度も見返すことで、その思いは本物へと成長し、そうして強くなった思いは、心の中にへばり付いて離れなくなります。
『メモの魔力』 序章より
もちろんノウハウについても語られますが、主には願いをかなえるためのツールとしてのメモの活用方法が語られます。
僕自身は本書を読んでみて、このギャップにとても感銘を受け、結果として強く影響を受けました。
そのため「仕事の関係上、チャチャっとメモが取れるノウハウが知りたい」という方には期待通り内容ではないかもかもしれません。
しかし、本書の内容を実践すればメモの取り方のみならず、「自分に必要なものは何か」「自分がどういうことに喜びを感じるか」という根本的な気付きを得ることができます。
『メモの魔力』から得られる3つの能力
1.知的生産能力:情報をアイデアに変換できる
「メモ」と聞くと、起こった出来事・忘れたくないことを書く、いわば「記録するもの」という印象が強いと思います。
もともと「memo」という言葉自体、memini(記録している)というラテン語が語源だそうなので当然かもしれません。
しかしメモの魔力の中では、「記録」ではなく「知的生産」のためにメモを書く、そこにメモの本質があると記載しています。
なぜここまで狂ったようにメモをとるのか。それにはいくつかの理由がありますが、
まず何より大切な理由が、この残酷なまでに時間が限られている人生という旅の中で「より本質的なことに少しでも多くの時間を割くため」です。
『メモの魔力』 第1章より
ここでいう「本質的なこと」とは何かのコピーではなく新規創出するもの、代替可能なものでなく代替不可能なものを指します。
つまり著者の考えるメモの最大の効果は、情報伝達ではなく知的生産に使用して初めてその本領が発揮されるものであるということです。
その具体的な方法論をすべて本記事で紹介するのは容量的に難しいですが、本書でとにかく重要視しているメモの極意を紹介したいと思います。
その極意が以下です。
「ファクト(事実)→抽象化→転用」という最強のフレームワーク
ちなみに著者の前田さんの実際のメモが以下になります。

『メモの魔力』P44,P45
以下は僕の実際に書いているメモに注釈を入れたものです。

「ファクト」→「抽象化」→「転用」のフレームワーク
- 標語:内容を一言で表現する表題
- ファクト:客観的かつ具体的な事実(例:会議で言うところの議題)
- 抽象化:ファクトから抽出できる特徴
- 転用:抽象化した内容を他の事柄に生かすためのアクション
『メモの魔力』の中では、「抽象化」と「転用」が最重要視すべき項目であると断言しています。
個人的には、「抽象化」こそがメモだけではなく目標を達成するうえで不可欠のツールであると思います。
目標は人それぞれ違えど、その達成に効果的なアプローチというものが必ず存在します。
そして僕たちの前には様々な偉業を達成してきた先人たちの成功例・ノウハウがあり、その成功例を抽象化して自身の目標に応用する、というところが最大のポイントです。
それを意識して先述したノートのように展開してみてください。必ず今まで見えていなかった取るべきアクションが見えてくるはずです。
2.構造化能力:問題・話題を構造化して理解できる
先述の通り、メモを取ることで知的生産性が向上します。
次の効用は「構造化能力」です。
メモを取ることで、その場に展開されている議論を綺麗に構造化できるようになります。
逆を言うと、しっかりメモをとるには、構造化は必須条件であり、上手にメモがとれるようになってきたなら、
それは、構造化がうまくなってきている証拠です。
メモの魔力 第1章
先述したような「ファクト(事実)→抽象化→転用」のフォーマットでメモを書くと、それぞれのフェーズでの考え方をするようになります。
ファクトに対しては、その事象の抽象化を、抽象化に対しては応用可能か、転用に関しては実施可能か否か、などです。
それぞれ頭の中でフォルダ感覚で問題を意識することで問題・議題の構造化能力が向上します。
3.自己認識能力:自分の性質を理解することで本当に必要なものを選択できる
ここまでメモにおける生産能力の向上について紹介してきましたが、本書ではメモがもたらす効果として「自分を理解するためのツール」としての使用を推奨しています。
就活の「自己分析」を馬鹿にせずやり切ることで見えてくるものは必ずあるのです。
~中略~
自分を知り、自分の望みも知らないまま、どんなビジネス書を読んでも、どんなセミナーに行っても、まず何も変わらないでしょう。
まず「自分」を知ることがなによりも重要です。
メモの魔力 第3章より
自己分析に関して、就活のための書籍には添付されていますが、本書ではそういった面接対策用の自己分析でなく、自分の本質的なことを知るための自己分析について書かれています。
そして著者の前田さんは以下の理由から、これからの時代は自分を知ることが何よりの強みだと説明しています。
1.情報があふれているからこそ、迷っていない人が最強
現代は情報に溢れています。
ちょっとした調べごとであれば、インターネット上で探せばすぐに見つかります。
ただ、「自分がどうしたいか」ということはインターネット上のどこを探しても見つかりません。
情報に溢れた現代だからこそ自分を持っていることが強みになります。
2.「個」が注目されてる時代の流れ
著者の前田さんが予測しているこれからの時代の流れとして「個へのフォーカス」が挙げられています。
SNSの普及により個人の活動にスポットがあてられるようになったのは誰の目から見ても明白です。
そしてこの先の未来、ブロックチェーンなどの技術によってさらに分散型の社会へと加速していきます。
そこで「個」としての能力がないと時代に取り残されてしまう危険性がある、と本書では綴られています。
3.個においてはオタクが最強
本書では、何かに熱中しているオタクこそが、価値創出の根源になると開設されています。
引き合いに出されている人物としては実業家の堀江貴文さん、お笑い芸人の西野章亮さん。
お二人とも職業の枠を超えて様々な活動で世の中の注目を集めています。
その原動力は、「熱中できるものがある」「好きでたまらないものがある」という思いだといいます。
ただ、そのためには「何が自分は好きなのか」を知る必要があり、自分を本質的なレベルまで理化するための自己分析について本書では語られています。
『メモの魔力』を読んだ後、メモを習慣化するための4つのアクション
1.自身に合った自分だけのメモを作る(おすすめはデジタルノートアプリ)
本書を読んだ後、まず行うべきことは、自分にあったメモを探すことです。
後述しますがメモの効果を活かすためにメモの振り返りは必須です。
日常の中で気になったファクトをとりためて振り返りの時間で抽象化・転用してこそ最大の効果を得られます。
メモを習慣化するには、サイズやデザイン面で気に入ったものを選ぶことはとても大切なことです。
例えば『メモの魔力』のフォーマット(標語→ファクト→抽象化→転用)のメモであれば、高品質ノートメーカー「モレスキン」のメモの魔力用の特別仕様版が発売されています。
個人的にはデジタルノートアプリ&紙のメモの組み合わせが最強だと思います。
その理由としてはデジタルノートアプリだと、メモの魔力のフォーマットはもちろん幅広いニーズに対応できるという点です。
メモの魔力のフォーマットは確かに素晴らしいのですが、少々用途が限定的になります。
デジタルノートアプリであれば、必要なフォーマットを必要に応じて使い分けることができます。
例えばブログ記事で書籍のレビュー用のフォーマットであれば、以下のように自分に合ったテンプレートを簡単に作成することができます。

罫線の種類も自分で選ぶことが可能。テンプレートは自由に差し替え可能。
これが自分だけのノートを作っている感覚がして、それからメモにドハマりしました笑
ちなみに僕はSurface proでOneNote for windows10を使用しています。
以下で使い方の紹介をしているので、気になった方は見ていただけると嬉しいです。
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Surfaceでメモを取る! ~ノートアプリ「OneNote for Windows 10」の使い方~
続きを見る
ただ、タブレットPCだと持ち歩くには少々重量が気になるので、外出時は小さいの紙のメモを持ち歩いています。
そこにファクトをとりためて、家でOneNoteに書き起こす、僕はこの形がばっちりはまりました。
是非お勧めです。
2.モチベーションアップのための自己分析
「3.自己認識能力」でも触れましたが、『メモの魔力』では、
「ファクト(事実)→抽象化→転用」のフォーマットでの自己分析を推奨しており、巻末に各カテゴリ別に【自己分析1000問】が付録として掲載されています。
ただ、いきなり1000問自己分析をすると聞くとさすがに身構える方もいらっしゃると思います。

巻末の自己分析の一部
そんな方には、今自分が興味がある・注力していることに近い内容の分析から実施することをお勧めします。
「今の自分」を意識することで、抽象化・転用へのモチベーションが高まります。
個人的には「なぜ自己分析をするのか、その目的は?」がツボでした。是非試してみて下さい!

いざ自己分析をやってみると「自分」についてあまり分かっていないことを実感します。
3.ポモドーロテクニックで集中できる環境作り!
メモをインプット材料をここまで見てきました。
次に大切なことはメモをとる時間の有効活用化です。
時間はあってもそれを有効に使わなければもったいないばかりです。
僕のおすすめはポモドーロテクニックでの集中力向上テクニックです。
以下の記事ではそのポモドーロテクニックと、それを手助けするツールであるポモドーロタイマーについて紹介しています。
Focus To-Doというアプリを使用すれば、タスクの管理も同時にできるのでとてもおすすめです!
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ポモドーロタイマー「Strict Workflow」と「 Focus To-Do」を試してみた!
続きを見る
4.抽象化をより深く理解・実践するための「具体と抽象」
メモにおいて「抽象化」がとても重要である、と『メモの魔力』の中でとても強調されて語られています。
僕自身、メモに限らず抽象化はとても大切な能力だと思っていて、抽象⇔具体化を繰り返して初めて自分が本当に望むものに近づけると思っています。
ただ、この抽象化がなかなかに難しい…
言葉もなんだか難しいうえに、「ほかの事柄に転用可能な特徴を抽出する」だとか「ほかに応用可能な汎用性が高いほど威力が増す」など、
最初はどう活かしていいものなのかうまく概要をつかめませんでした。
そんな方には以下の書籍もセットで読むことおすすめします。
『メモの魔力』に中でも抽象化を深く理解したい方向けに紹介されている書籍ですが、抽象化という難しい概念を深く理解し、実践まで説明してくれてます。
以下の記事で『具現と抽象』について紹介していますので、読んでいただけると嬉しいです!
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『具体と抽象』要約 ~抽象化で得られる2つの視点~
続きを見る
まとめ:なぜ『メモの魔力』のメソッドで夢がかなうのか
『メモの魔力』の命題である「メモで夢は実現するか」ということには様々な意見があると思います。
ただ、本書にもある通り、自分の手で書き、何度も見返したことは本当に心にへばりつきます。
人は、意識の上では自分の重いをごまかしたり嘘をついたりすることはたやすく出来ます。
時間がないから、今はまだそのタイミングではないから。
メモを書くことで、そんな自分への言い訳と、嫌でも向き合うことになります。
そうすると、本当に自分がしたいことは何か、なぜ向き合うことを怖がるのか、が見えてきます。
僕はまだメモ初心者、まだまだこれからではありますが、自分と向き合うことで、自分の夢、自分自身との向き合い方を教えてくれた『メモの魔力』には感謝しかありません。
メモに今興味がない方にもおすすめの本ですので、気になったぜひ手に取ってみてください。