
そんな悩みの力になります。
『アウトプット大全』は作家であり精神科医もある樺沢紫苑さんの、アウトプットについて紹介している書籍です。
当記事では脳科学に裏付けられたアウトプット術を、図も交えながら分かりやすく解説していきます。
本書ではアウトプットを「話す」「書く」「行動する」と3つに分類しており、本記事ではその中で「書く」ことにスポットを当てた内容となっています。
なお、アウトプットの前準備、正しいアウトプットとその方法についてについては以下の記事で紹介しています!
アウトプットを実践するための大切な基礎知識を取り上げてますので、ぜひ読んでいたればと思います。
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図解で解説『アウトプット大全』要約 ~アウトプットの重要性編~
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目次
『アウトプット大全』がおすすめなのはこんな人
こんな方におすすめ
- ノート・メモを取るのが苦手or持続できない
- 「書く」ことで生産性をもっと向上させたい
- 日頃の作業をもっと効率化したい
- 書くことで目標実現に近づきたい
本記事では『アウトプット大全』に収録されている「書く」を中心としたアウトプットにスポットを当てていきたいと思います。
また、その書き方を、僕の独断による3つのカテゴリに分け紹介していきたいと思います。
1つめのカテゴリは知的生産力の向上につながる書き方、いわば「能力を引き出す書き方」です。
2つめは保存媒体として活用・作業効率向上のための「作業効率を上げる書き方」、
3つ目は「目標実現のための書き方」です。
1.能力を引き出す『書き方』
タイピングより手書きがおすすめ
手で「書く」ことの有用性は脳科学的にも証明されています。
それは「書く」ことで、脳幹網様体賦活系(もうようたいふかつけい)、またの名を、RAS(ラス)と呼ばれる神経ネットワークを刺激するからだといいます。
メモ
◆脳幹網様体賦活系(もうようたいふかつけい)
Reticular Activating System(RAS)とは、脳幹から大脳全体に向かう神経の束。
別名「注意の司令塔」と呼ばれており、その機能を分かりやすく説明すると、関心を寄せていることに対して情報を集めるのに鋭敏になる、というもの。
そして、そのRASを刺激する最も簡単な方法が「書く」ことです。
注意が対象に集まり、脳が活性化することで、記憶力や学習能力が向上します。
インプット直後のアウトプットを心掛ける
どんな素晴らしい体験もアウトプットなしでは、記憶から薄れ、じきに忘れてしまいます。
そうしたことを防ぐ意味でもアウトプットは必要ですが、そのタイミングはインプットの直後がおすすめです!
インプットをした場合、その体験をアウトプットするのはいつがベストでしょうか。
最適なのは、脳が最も多くの情報を保持している「インプット」の直後です。
『アウトプット大全』 P120 34.書き出す1 より
そうすることその体験についての感想だけではなく、その時の気付きも保存することができます。
そしてこの気づきを具現化する = 知的生産、につながります。
文章をひたすら書いてフィードバック
著者の樺沢紫苑さんは今でこそベストセラー作家ですが、これまでに文章に関しての誹謗中傷をネットで書かれたそうです。
しかし、今は本書をはじめとした多くのベストセラーを世に輩出する作家さんになっていますが、そのために行ったことが「たくさん読んでたくさん書く」だそうです。
そこで重要なのが必ずフィードバックすることだといいます。
毎日、たくさんの文章を書いても、フィードバックが得られなければ、上達はしません。
インプットとアウトプットの堂々巡り、同じレベルの文章を書き続けるだけです。
文章のフィードバックとは、誰かに文章を読んでもらい、アドバイス、批判、修正点、改善点、長所、短所など、感想をもらうことです。
『アウトプット大全』 P126 37.上手な文章を書く より
これは本書の冒頭でも「アウトプットに基本」でも語られている内容で、インプットとアウトプットの際は、振り返りをセットで行うのが必須です。
以下の記事で詳しく紹介しています。是非参考にしてみてください!
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図解で解説『アウトプット大全』要約 ~アウトプットの重要性編~
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早く文章を書く2つの書き方
文章について悩みは「文章が下手です」といったものが一番多いそうです。
そしてそれに次いで多い悩みが「文章を書くのに時間がかかります」といった悩みだといいます。
僕は個人的にこの悩み、痛いほどよく分かります!!
具体的に書きたいことがあっても、どうやって書き始めて、どう伝えていいかわからず、よく途方に暮れました。。。
そんな方に本書がおすすめする改善策は以下の2点です。
1.時間を決めて書く
「時間を書ければいい記事が書ける」と思いがちですが、本書ではそれは完全に間違いである、といったうえで、
「締め切りを決めて一気に集中して書くことで、文章を書くスピードと文章のクオリティの両方がアップする」としています。
これは心理学では「締め切り効果」や「デッドライン効果」と呼ばれているもので、時間を区切ることで管理しやすくなり集中力がアップする、といった効果があります。
アドラー心理学でも提唱されている考え方でもありますが、時間を決めることで「今この瞬間」に集中し、人は自分の力を最大限に発揮できます。
逆に良くないとされているのは、時間を決めずだらだら続けてしまうこと。
時間が余計にかかるだけでなく、クオリティまで落としてしまいます。
ちなみに。時間の管理ツールに関しては「ポモドーロテクニック」がおすすめです!以下の記事で紹介しています!
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ポモドーロタイマー「Strict Workflow」と「 Focus To-Do」を試してみた!
続きを見る
2.構成を決めて書く
個人的にこのポイントは、ブログを書く際には必須と考えていいです。
僕が文章を書くのに時間がかかる原因は、構成がうまく決められない・迷ってしまう、といったものでした。
せっかくいい体験をしたのに、書きたい内容ばかり先走って、なにを一番伝えたいのか明確でないため、結局まとめれられずお蔵入り、といったことが頻繁にありました。
しかし、この「構成を決めてから書く」を実践することで、書くことに集中でき、完成までの速度が飛躍的に向上します。
この記事を作った場合のやり方ですと、まず本書を読んだ後、どういう印象を受けて、何が一番勉強になったかを、できるだけ少ないポイントで分けます。
そしてそのポイントを見出しとして決めて、その見出しに沿って記事を作成していく方法で書いていきました。

構成を決めて書く
2.作業効率を上げる『書き方』
脳の整理をするメモの方法
本書によると、人間の脳が同時に処理できる数は、諸説あるものの「3つ」前後だといわれています。
そしてその数を大幅に超えると人は処理が追い付かず文字通り「パニック」になってしまいます。
それを防ぐために、覚えておくべきことを自分の脳にとどめておかず、メモなどに転記し、脳の棚卸をすることが重要であるといいます。
仕事中の私たちの頭の中には、いろんな「考え」「アイデア」「ひらめき」が浮かびますが、
それらはすべてメモなどに「書き出す」こと。そして脳のトレイを空にするべきなのです。
いうなれば、「脳のトレイに書類(情報)が入ってくる」のがインプットであり、
「脳のトレイを空にする」ことがアウトプットです。
『アウトプット大全』 P124 36.書き出す2 より
ポケットサイズのメモを常備し、やるべきことはメモに記録し、後でTODOリストにまとめる。
大切なのは、脳を常にクリアにすることで「今この瞬間」に集中し続けることです。
アナログとデジタルの使い分け
メモやノートを取るときに、デジタルでとるかアナログでとるか、悩まれる方は多いと思います。
デジタルとアナログをそれぞれ得意・不得意がありますので、それを理解してシーンに合わせて使い分けるのが効率的です。
以下がその主な特徴です。
アナログ | デジタル |
・手を動かすため脳が活性化
・アイデアが出やすい ・視覚的、感覚的 ・修正に時間がかかる ・かさばる ・シェアが面倒 ・古いものを取り出すのに時間がかかる |
・脳を活性化しずらい
・アイデアを練り上げやすい ・言語的、論理的 ・修正に時間がかからない ・データ保存なのでかさばらない ・シュアが簡単 ・検索はすぐでき、一瞬で取り出しが可能 |
個人的には、上記以外の第3の方法、タッチペン入力での「デジタルノートアプリ」を激烈におすすめです。
手を動かすため脳は活性化しますし、何よりデジタル⇔アナログの切り替えが一瞬でできるため、両方の長所を使い分けることができます。
SurfaceなどタブレットPCをお使いの方はぜひ以下の記事も見てみてください。
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Surfaceでメモを取る! ~ノートアプリ「OneNote for Windows 10」の使い方~
続きを見る
図形を使って記憶力アップ
メモを取るようにしてやりがちなのが、ひたすら文字でメモを取り続けてしまうこと。これは結構NGな行為です。
まず、字だけだと記憶にとどまりにくいです。フィードバックするときもすべて読まなければなりません。
ベストな方法は文字と合わせて図形などの絵と一緒に書くこと。
文字よりも絵は記憶に残りやすく、思い出す可能性が高くなります。
これを心理学では「画像優位性効果」といいます。
メモ
◆画像優位性効果(がぞうゆういせいこうか)
口頭での説明や文字での訴求で伝えるより、同時に画像や絵など含んでいたほうが記憶に残りやすく理解しやすい現象のこと。
「口頭」で説明した場合、10%程度しか記憶に残らなかった内容が、「絵を使いながら説明」すると65%に向上したというデータもある。
画像優位性効果の重要なポイントは記憶に残りやすくだけでなく、理解しやすいというところにあります。
これはブログで転用すると、何らかの事象を説明するとき言葉にプラスで図で挿入すると、理解してもらいやすくなるということになります。
3.目標実現のための『書き方』
TODOリストを作成する
ここまでで「書く」準備ができたら、次はTODOリスト(やることリスト)を作成しましょう。
このTODOリストはむちゃくちゃ大事です!個人的にはTODOリストなくして目標達成はありえないと思ってます。
詳しいメリットについては以下をご覧ください!
前にも書いたように、人間はせいぜい3つのことしか同時進行することができません。
やるべきことを頭に抱えた状態で、ベストなアウトプットなどありえないのです。
パフォーマンスを最大限に発揮するためにはTODOリストは必須です。
ちなみに本書ではTODOリストはスマホアプリでなく紙で行うことを推奨していますが、僕はアプリ管理です。。。
しかしこれがすっごい便利なのです!そのアプリは「 Focus To-Do」という無料アプリなのですが、
タスクの管理、期限の管理、リマインドなど無料ポモドーロタイマーでは断トツに機能充実していてかなり役立ってます。
※当初はノートにTODOリスト書いて、 Focus To-Doに転記していましたが、今は完全にFocus To-Doで一元管理してます。

TOP画面からプロジェクトを選択

プロジェクトからタスクを選択
このようにプロジェクト>タスク>子タスクまで設定できるほか、締め切りを設定できそれが一覧で確認できます。
基本無料なのですが、無料版はプロジェクト作成数に上限あり、僕は1080円買い切りの完全版に移行しようと思ってます。
興味が湧いた方はこちらもぜひ見ていってください!
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ポモドーロタイマー「Strict Workflow」と「 Focus To-Do」を試してみた!
続きを見る
実現する目標の『書き方』
本書では具体的な目的の設定方法についても記載しています。
以下が脳科学に基づいた目標設定の基準になります。
目標設定は実現可能かつ具体的であるほうが理想です。
そして目標設定ができたら実行していくわけですが、ここでも忘れてはいけないポイントがあります。
目標は実行しながら見返すことが必要です。目的が達成できたか、方向性は間違っていないか微調整しながら目的達成を目指しましょう。
「書く」に特化した関連書籍
アウトプットの重要性についてここまで紹介してきました。
そして以前紹介しましたがインプットとアウトプットの黄金比は3:7です。
アウトプットの合間に良質なインプットを行いましょう。
ビジネスパーソン向け文章力アップ術が満載!『伝わる文章が「早く」「思い通り」に書ける87の法則』
本書が重い白いと感じた方は、『伝わる文章が「早く」「思い通り」に書ける87の法則』もおすすめです。
伝わらない文章と伝わる文章を例と共に分かりやすく解説しており、87の方法に区切られているので読みやすい!
『伝わる文章とは何か』が理解できるので、文章を書くスピードも向上します。
『書く』ことのアウトプットを始めるすべての方におすすめ!『メモの魔力』
言わずと知れた2019年NO1ヒットのビジネス書籍です。
自他とも認める「メモ魔」である著者、前田裕二さんの『夢をかなえるメモ術』が収録された名著です。
前田流メモは書くことのアウトプットを行うすべての方にお勧めの内容です!
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メモの魔力要約まとめ ~デジタルノートアプリとライフハックメモ術~
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本記事の紹介はここまでになります。
本書の「書く」ことのアウトプットから僕が感じたことは、書くことにより自分自身の叶えたい目標と向き合うことの重要性です。
夢や目標と向き合うことは時として、すごく勇気が必要です。
考え抜いて努力して、何も成果が得られなかったら、「自分は無能」の烙印を押されてしまうのではないか、叶わなかったことで大切なものを失ってしまうのではないか、という怖さを感じてしまうこともあると思います。
ただ、アウトプット、つまり行動を起こしてみればその分確実に景色は変わります。
自分が頂上と思っていた場所はまだまだ途中地点かもしれませんし、逆に、一歩踏み出すだけで自分の目指す方向が180度変わったり。
その変化を楽しむことができたら、それはとても幸せなことだと思います。
そして変化を楽しみ努力する自分に対して、自己嫌悪に陥っている人は見たことないので、きっと大丈夫でしょう!
あとがきが長くなってしまいすいません。ここまで読んでいただきありがとうございました!