
この記事ではメンタリストであるDAIGOさん著『超集中力』から、集中力を最大限に発揮する方法にスポットを当てて紹介します。
本書では集中力の「鍛え方」や「節約方法」なども紹介していますが、この記事ではその中でも「集中力を作り出す習慣化」にのみ取り上げます。
集中力は決して才能ではありません。本書を読めば分かるようにトレーニングでどなたでも向上させることが可能です。
その最大のキーワードは『習慣化』です。
本書の特徴
著者であるDAIGOさんは今でこそ様々なアウトプットを実践されていますが、実はかつて「LLD(学習障害)ではないか」と周囲から心配されるほど、集中できず、落ち着きのない子供だったそうです。
成績も227人中224位、成績もほとんどビリだったDAIGOさんがある時「勉強をして、自分を変える」決意をしたそうです。
ただ、決意をしたからといってそう簡単に変われるわけもありません。
そしてその試行錯誤の末、闇雲に努力するのではなく、心理学や脳科学の専門書を頼りに集中力を作り出す方法を追求し始めたそうです。
その結果、慶応義塾大学の理工学部に合格、現在は執筆活動やYouTubeの運営など幅広いアウトプットを行われています。
それを可能にしたのが、試行錯誤して導き出した『集中力のコントロール方法』と本書では綴られています。
これらの事から、『超集中力』は科学と経験に裏付けられた集中力に関する知識が詰まった一冊と言えます。
おすすめなのはこんな人
こんな方におすすめ
- やる気になって作業を開始したはずが気付いたらYouTubeを見ている
- 自分にあう作業の取り組み方が知りたい
- 1つの事が長続きしない、または継続するのが苦手
- 出来れば楽に集中力を高めたい
本書は「集中するのが苦手」という方にはもちろんおすすめなのですが、「自分は集中できない性分」と思っている方はぜひ一度読んでいただきたい!
本書中にもあるように、集中力は持って生まれた才能ではありません。
ましてや、根性論のような、体にムチを打って絞り出すものでもありません。
集中力はトレーニングによって鍛えられ、環境や休息によってコントロールするものである、ということを本書は教えてくれます。
集中力を作り出す「習慣化」
集中力を作り出すポイント、それが「習慣化」です。
集中力を最大限に発揮し創造的な作業を行う上で、習慣化するのは必要不可欠です。
たとえば、同じゴルフをプレーしていても、プロはスイングについて「立ち位置は」「左に踏み込んで」などと、いちいち考えていません。
数えきれない反復練習によって、彼らは正しいスイングを自動化しています。
その結果、スイングの動きは特に意識せずとも反射的に行える域に達しているのです。
その代わり、プロゴルファーはコースを攻めていく方法、戦略に集中しています。
『超集中力』 P8 まえがき より
集中力の源は、額から2~3cm奥、脳の前頭葉にありますが、習慣化すると同じ作業を小脳が代わりに担ってくれ、その分前頭葉の消耗が減り、集中力を発揮する時間がより長くなります。
また、小脳が肩代わりしてくれたおかげで余った前頭葉のリソースを別の新しい作業に使うことができるため、「習慣化」は必須です。
また「習慣化」を上手く使うことで「集中しても疲れにくい体」を作ることができます。
一般的な「疲れる原因」というと、難易度の高い・頭を使う仕事を終わらせた、などがあげられますが、本書は「人が疲れる本当の理由」として、「行動」ではなく日常に溢れる「選択・決定」によって疲れる、と綴っています。
このことはコロンビア大学シーナ・アイエンガー教授の選択に関する実験を見ると分かります。
この実験は、あるスーパーの試食コーナーに24種類のジャムを揃えた週末と、6種類のジャムを揃えた週末とで、客数と売上の比較を行う、といった内容です。
この実験の結果、ジャムの種類が豊富なほうがより多くの客数が集まり試食を行った反面、実際に購入したお客さんの割合はジャムの種類の少ないほうが上回る、という結果になりました。
この実験の結果から「豊富な選択肢よりも絞り込んだ選択肢の方が成果につながる」ということがわかります。
このように多すぎる選択肢は人の集中力を奪い「決定疲れ」を引き起こす原因になります。
現代人は一日平均70回の物事の選択や決断をしているといわれています。
1つ1つを見ていくと、「何時に誰に連絡する」などといった他愛ないものかもしれませんが、そういった小さな決断の数々は確実にあなたを疲弊させます。
したがって決断はすぐに下し、即決できる仕組み作りが重要です。
どういった仕組みを「習慣化」することが集中して作業を行うために必要不可欠です。
集中力を節約する2つの習慣
先にも見てきたように、集中力を高めるコツは「習慣化」です。
この記事ではその習慣化の中でも、「集中力を減らさない習慣作り」を紹介します。
そのテーマは「決定疲れをなくす」ことです。
その一つ目は「決定疲れをなくすTODO管理」、二つ目は「決定疲れをなくす即時判断」です。
一つづつ順番に見ていきたいと思います。
TODOアプリで決定疲れから卒業!
ここまでで、集中力を作り出すためには「習慣化」がとても重要であることを見てきました。
そして習慣化するにも、「どういうことを意識すればいいか」という指標があります。
その指標が「判断や選択、意思決定をとにかく減らす」ことです。
先にみたように、人間は選択するシーンが多いほど「決定疲れ」を起こします。
本書では選択による決定疲れを減らすために、appleの創設者であるスティーブ・ジョブズに倣った「7本のハンガー」という方法を提唱しています。
スティーブ・ジョブズが公の場でプレゼンを行うシーンは私たちもよく目にしたことがありますが、彼は決まって同じ服装です。
ISSEY MIYAKEの黒のタートルネックにリーバイスの501、そしてニューバランスのスニーカーという出で立ちですが、これは「毎日の服を選ぶ」というストレスを軽減するために「仕組み化」です。
これをDAIGOさんは「7本のハンガー」という形で生活に取り入れる工夫を紹介してくれています。
クローゼットに7本のハンガーを用意し、月曜日から日曜日まで着る服を上から下まで全部用意してしまう。
着替えの際にハンガーを取り出せば、すべての選択が一度に終了するという仕組みです。
ビジネスパーソンであれば、シャツ、パンツ、ジャケット、ネクタイ。
どの組み合わせでも合う「色味」でアイテムを絞り込めば、理想形であるジョブズのようなシンプルで個性的なワードローブをつくることができます。
『超集中力』 P133 高い集中力を生み出す7つのエンジン より
ちなみに僕はTODOアプリを取り入れた習慣化・自動化を行っています。
そのアプリは「Focus To-Do」というポモドーロタイマー兼TODOアプリなのですが、自分の実行すべきタスクに「期限」や「通知」を設定することができるため、
「ブログ」なら火曜・金曜に記事を仕上げて公開する、音楽作成は月曜・水曜・日曜に作業する、といった具体に自分の予定を習慣化することができます。

繰り返しの通知を行うことが可能

今週はちょっと追い込まれています。。
その他にも自分は行った作業レポートを自動で作成でき、何にどれだけ時間を使ったかがわかります。
リマインダー機能も付いているため、習慣化と自動化には最適です。
アプリを使った習慣化に興味がある方はぜひ以下の記事も見ていただけたら幸いです!
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即時判断を心掛ける
ここまで見てきたように、習慣化は選択や決断を減らすための仕組みです。
先にみてきたように、脳は行動することによって疲れるのではなく、小さな意思決定によって疲弊することがわかっています。
したがって、こうした小さな意思決定こそ、判断・決断することなく実行できるような仕組みを習慣化しましょう。
できれば雑事こそ判断しなくてもいい仕組みをつくるようにしましょう。
ジョブズのワードローブや皿洗いのルールのように、どうしようかな・・・やろうかな・・・今はやめておこうかな・・・と悩む余地を残さない。
仕組み化とは、意思決定するべき課題を即座に処理してしまうことです。
『超集中力』 P135 集中力を生みだす7つのエンジン より
ここまで集中力を作り出す「習慣化」についてみてきました。
一日のうちの判断や決断を少しでも減らすこと、そしてそれは、取り組むべきタスクに自分の100%の集中力で臨むための姿勢です。
ぜひ本書の中の集中力向上術を上手く活用し、今以上の成果を出していきましょう。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!