書評

三日坊主を卒業するための『アウトプット大全』 ~最大のアウトプット行動編~

kamotani
行動を継続させるためのコツを『アウトプット大全』の内容とともに紹介します!

『アウトプット大全』は作家であり精神科医もある樺沢紫苑さんの、アウトプットについて紹介している書籍です。

 

当記事では脳科学に裏付けられたアウトプット術を、図も交えながら分かりやすく解説していきます。

 

本書ではアウトプットを「話す」「書く」「行動する」と3つに分類しており、本記事ではその中で「行動する」ことにスポットを当てた内容となっています。

 

『アウトプット大全』では「書く」「話す」などのアウトプット術を様々紹介していますが、そういったアウトプット全般を支えているのが「行動」です。

 

どんなインプットも実行しなければただの「自己満足」に過ぎません。その「自己満足」を「自己成長」に変えるのが「行動」です。

 

その行動を楽しく継続させるコツを本書の内容と共に見ていきたいと思います。



 

『アウトプット大全』がおすすめなのはこんな人

こんな方におすすめ

  • 継続するのが苦手
  • 新しいことを始めるのがおっくう
  • 満足いく「完成」を迎えたことがない
  • どうせなら楽しく継続させたい

本書の「行動」についてのアウトプット術は徹底して脳科学に基づく方法である、自分を継続する方向へ誘導する内容になっています。

 

本書記載の方法はその背景に「自分を上手にコントロールする」という意識がありとても勉強になります。

 

その一部を紹介していきたいと思います。「継続が昔から苦手。。」「継続の結果を出したい」という方はぜひ一度試してみていただきたい内容です!

結果を出すための究極の成功法則『続ける』

ビジネス・スポーツ・芸術、様々な分野がありますが、共通する成功の法則、それが『継続』です。

 

簡単なように思えるこの『継続』が、実はとても難しい。。

 

仕事が忙しく中々時間が作れない、家庭の関係でまとまった時間が作れない、などといった事情で継続をあきらめるケースも多いのではないかと思います。

 

そこで「アウトプットの達人」である著者(メルマガ毎日発行13年連続、Facebook毎日更新8年連続、YouTube毎日更新5年etc)が、『続ける』ために行っているという『5つの極意』を紹介したいと思います。

続けるための5つの極意①:『今日やることだけを考える』

13年メルマガ発行を継続している著者ですが、開始した当初はここまで長いスパンで行うつもりは考えていなかったそうです。

 

「楽しい」と感じるから続けた結果13年という長い年月継続できた、とまさに理想的な継続だと思います。

 

「長時間継続する」ことを目的にしてしまうと、長い道のりを想像して挫折につながりやすくなります。

 

なのでモチベーションとしては「楽しいからやる」という意識で行うのが長期継続のコツです。

 

また、継続のコツとして「まず始めてみる」という方法が挙げられます。

 

人は、始める前はやる気が起きなくても、いざ始めると「作業興奮」という集中のスイッチがONになります。

 

そしてその「作業興奮」が働くまでの所要時間はなんと5分と言われています。

 

「やる気はないときほどとりあえずやってみる」というのは脳科学的にも有効な方法です。

続けるための5つの極意②:『楽しみながら実行する』

本書では『継続』することにおいて、「楽しみながら実行する」ことを特に推奨しています。

テレビやゲームは、なんの努力もしないのに、毎日続けることができます。それは楽しいからです。

「楽しい」とドーパミンが出ます。

「楽しい」と思えば、努力しなくても、がんばらなくても、自然に長く続けられるのです。

『アウトプット大全』 P192 圧倒的に結果を出す人の行動力 より

楽しみながら継続することは脳科学の観点からもとても有用性が高いことがわかっています。

 

人は「楽しい」を感じると脳内物質「ドーパミン」を分泌します。

 

幸福物質とも呼ばれるドーパミンは、集中力・モチベーション・学習能力を高める働きを持ちます。

 

その一方で、「苦しい」「つらい」と感じると、ストレスホルモン「コルチゾール」が分泌されます。

 

このコルチゾールは「嫌な出来事を忘れさせる物質 = 記憶力を低下させる物質」です。

 

我慢は美徳とされていることもありますが、本当の意味で学習効率を上げたいのであれば、つらいことより楽しむことのほうが断然効率がいいということになります。

続けるための5つの極意③:『目標を細分化する』

目標を立てるのは大切です。しかし高すぎる目標は時として継続の足かせとなります。

 

例えばプログラミング未学習の方が「プログラミングで大人気アプリを作る!」と聞くとどうでしょう。

 

もちろん無理ではありませんが、無謀に思う方が多いのではないでしょうか?

 

しかし、その目標も分解・細分化してあげると、ぐっと具体性が上がります。

 

「プログラミングで大人気アプリを作る!」の場合ですと、まず以下のように細分化できます。

 

①プログラミングの書籍を購入する

 

②世代別の人気アプリを分析する

 

上記のように細分化するとどうでしょう。

 

最初の大目標「プログラミングで大人気アプリを作る!」を叶えることはできませんが、その目標に確実に近づき、かつ、実現の可能性がずっと向上していると思います。

 

このように細分化することで自分のすべきことが可視化でき、かつ、実現可能なレベルまで落とし込むことができるので行動に直結します。

 

目標を細分化するためにおすすめなのはTo-Doアプリを使用することです。

 

ちなみに僕は『Focus To-Do』というアプリを使用しています!

 

目標を細分化することはもちろん、ポモドーロタイマーとして使用することこともできるほか自分がどれだけ頑張ったか確認できます。

 

使い方について以下の記事で紹介していますので、興味のある方はご一読いただければありがたいです!

ポモドーロタイマー兼TODOアプリの決定版!『 Focus To-Do』有料版と無料版の使い方を徹底検証!

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続けるための5つの極意④:『結果を記録する』

本書では目的を達成したいときは、毎日記録をつけることをおすすめしています。

 

朝、パソコンを立ち上げて、「YouTubeのフォロワー数」を確認する。

昨日と比べてフォロワーが増えていると、「今日も、YouTubeの発信を頑張ろう」とモチベーションが上がります。

目標達成までの進捗を記録する。それだけでドーパミンが出やすくなり、圧倒的に「継続」しやすくなります。

『アウトプット大全』 P194 圧倒的に結果を出す人の行動力 より

僕はブログであればGoogleアナリティクスのPV数や先述したToDoアプリで成果を確認してモチベーション管理に使用しています。

 

今は結果を記録するための便利がアプリがたくさんありますので、自身にあったものを上手に使ってモチベーション管理に役立てるのがおすすめです。

続けるための5つの極意⑤:『結果が出たら自分にご褒美をあげる』

5つ目の続けるための極意は、「自分にご褒美をあげる」ことです。

 

目標を達成することで嬉しいことはあれば、当然モチベーションアップにつながります。

 

基準として小目標はなし、中~大目標は期間に応じてご褒美を設定するといいでしょう。

 

僕の場合は、ブログ1本でハーゲンダッツorちょっと高いコーヒーを淹れてゆっくりする、など取り入れています。

 

ここまで見てきたように、本書の「行動」は基本的に自分が楽しいと思うことを重要視しています。

 

その最大のメリットは、楽しさを仕組み化することで自然と継続する方向へ自分を誘導することです。

 

個人的にこの意識は、本書から学んだ一番重要なことだと思います。

 

頑張ることにはエネルギーがいります。

 

一瞬であればそのエネルギーを捻出することは簡単ですが、長期間継続するといつか必ずガス欠を起こします。

 

エネルギーをアウトプットに使いながらエネルギーを充電する、それが「継続することを楽しむ」ということが本書を読んでよくわかります。



継続を成果につなげるコツ

著者の樺沢紫苑さんは執筆のとき「100点の原稿」を作るために「30点の原稿」を目指して書き始めるといいます。

 

その理由は「30点で満足」ということではもちろんなく、「30点の出来でいいのでとりあえず最後まで書き上げる」というものです。

 

その30点の完成品に「直し」「ブラッシュアップ」を行い、30点から50点、50点から70点といった具合で最終的に100点を目指せばいい、何より重要なのはまず完成させることだといいます。

 

この「とにかく完成させる」という話は言い得て妙だなぁと感じます。

 

これは僕の作曲仲間の話なんですが、彼はとても頭の回転が速く音楽の知識も豊富、作曲途中の曲を聞かせてもらうと、すごく丁寧に作っていて「これはいい曲!」というのも多々ありました。

 

ただ、彼は完璧主義で製作途中の曲のちょっとした「アラ」にこだわり続けてしまう傾向がありました。

 

そのため6~7割程度完成しているのに完成まで持っていけず、そうこうしているうちに、当初の曲の構想への情熱が薄れ流れてしまうことを少なくなかったようです。

 

まずは30点でも全体が見通せるレベルまで完成させる。

 

それにいざ完成させてみないことには見えなかった部分もたくさんあります。

 

大事なのはそこで終わりにするのではなく、直しやブラッシュアップを重ねて100点に近づけているフィードバックにあります。

継続を結果に変えるための時間管理

もしやりたいことに時間が十分に取れない方は、本書記載の「15分のすきま時間アウトプット」がおすすめです。

 

「15分」と聞くと短く感じられるかもしれませんが、重要なのは「かけた時間」ではなく中身、つまり「どれだけ集中したか」です。

 

「15分勉強する」場合と、「60分勉強する」場合、どちらが効果が高いと思いますか?

多くの人は「60分」、つまり時間を長くとったほうが、勉強や仕事がはかどると思っていますが、それは完全に間違いです。

重要なのは集中力です。「だらだら60分」やるよりも、「集中して60分」やっとほうが、勉強も仕事もはかどります。

『アウトプット大全』 P232 圧倒的に結果を出す人の行動力 より

「時間を短く区切る」という方法は僕自身も取り入れてますが、これは本当におすすめです。

 

僕の場合は25分区切るのポモドーロテクニックを実践していますが、具体的なメリットについて以下の2点があげられます。

メリット①:作業における「無駄」に気付く

「作業時間が25分しかない!」を思うと、猛然とタスクを実行しようと向かいあいます。

 

ブログであれば、文章をノンストップで書きたい。

 

そしてその思いが強ければ「止まって考える時間」をできるだけ無くそうと考えます。

 

例えば「見出しはどんなものを入れよう」とか「何にスポットを当てよう」といった、文章を書きながら考えるとどうしても25分だと短く感じてしまいます。

 

なので25分の時間フル集中できるよう、「何にスポットを当てるか考える時間」「ピッタリの見出しを考える時間」と作業を細分化し、ストップすることなく作業に集中ができるようにしたところかなり作業効率が向上したように感じます。

 

また、見出しについても、同じジャンルの記事であれば見出しの種類は同じようなものになるので、それに合わせてテンプレートを作ることで、止まって考える時間を最小限にすることができました。

 

重要なのは「25分間フル集中で手を止めずに作業できる環境を作る」ことだと思います。

メリット②:ちょっとした休憩癖がなくなる

そもそもの話ですが、人間の集中力とは長時間継続させないようにできているそうです。

 

それは私たちの生物として本能として刻まれているものです。

 

草食動物で言うなら肉食動物の徘徊するサバンナで、食事に集中しすぎることは生命の危機に直結します。

 

このように、動物には集中していても周りの変化や音に察知して注意を払う能力が本能レベルで備わっています。

 

なので長時間集中し続けることは難しく、気付かないうちに間にちょっとした休憩時間をはさんでしまいます。

 

そしてそのちょっとした休憩から作業に戻るとき、「作業を再開する」という決断に人間の脳は疲弊します。

 

したがって作業時間と休憩時間をあらかじめ決めておくことで、決断疲れなく与えられた時間を集中した状態で作業が実施できます。

 

集中力のメカニズムについて、以下の記事で紹介していますので興味のある方はご一読いただければありがたいです!

 

集中力をコントロールする『超集中力』要約 ~集中力の鍛え方編~

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本記事の内容はここまでになります。

 

「行動」の「継続」において重要なことは『楽しむこと』『完成させること』『時間を管理すること』です。

 

そしてその理由は『頑張らなくても自然と継続する方向へ自分を誘導すること』です。

 

人間の意志は、思っているだけでは弱いものです。

 

一時心に強く誓っても、時間と共にその思いは風化することも少なくありません。

 

なので「やりたい!」と思ったとき、そのやりたいことを続けられる仕組みを作ることがなにより重要ということを僕は『アウトプット大全』を読んで感じました。

 

ここまで読んでいただきありがとうございました!




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