書評

「抽象化」を日常的に活用する『具体と抽象』要約

kamotani
『具体と抽象』のすぐに活用できるポイントを紹介します!

今回紹介するのは、細谷巧さんの『具体と抽象 世界が変わって見える知性のしくみ』です。

 

『具体と抽象』は主に、物事・事柄を抽象的な観点で観ることでその特徴を抽出し、他の物事に当てはめることで理解を助けたり応用・転用する抽象化について書かれた本です。

 

言葉にすると、小難しいですがこの『抽象化』の概念が、行動において不可欠であり、抽象化という概念なしに行動を起こすということは、実行すべき課題に対し無駄な時間と労力を費やしているといっても過言ではありません。

 

「ほかの人より自分は呑み込みが遅い」「何か1つの事を長続きさせることができない」という方はぜひ一度読んでほしい一冊です。

 

 

以前の記事で、『具体と抽象』の抽象化の基礎的な内容とそのメリットについて紹介しました。

 

『具体と抽象』要約 ~抽象化で得られる2つの視点~

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今回は上記の記事で紹介しきれなかった『抽象化』の実用方法にスポットを当てていきたいと思います。

 

『抽象化』は日常的に行ってこそその真価を発揮し、行動や思考に大きく影響を与えます。

 

今まさに自分のやりたいことを実行し始めた人には、特に読んだいただきたい内容が『具体と抽象』には描かれています。



 

『具体と抽象』がおすすめなのはこんな人

こんな方におすすめ

  • 気持ちの「むら」をなくしたい
  • 行動の「ぶれ」をなくしたい
  • 自分の適性に合った仕事が知りたい
  • 議論で「解決する力」を身に着けたい

抽象化とは、ある事象の特徴を抽出し、全く別の他の事象に当てはめて共通点を抽出し、ひとまとめに扱うことです。

 

ただ、そう聞いただけでは、抽象化を日常でどう使えばメリットがあるのかわかりにくいと思います。

 

しかし抽象化は仕事や趣味の世界で活用してこそその真価を発揮します。

 

抽象観念を理解し抽象化ができるようになることで、自分の理念を形成したり議論における「解決する力」を向上させることができます。

 

本記事では『具体と抽象』に描かれている抽象化の活用方法をポイントに分け解説していきます!

 

『抽象化』を日常で使う3つの方法

観点レベルに合ったコミュニケーションをとる

人とコミュニケーションをとるとき、抽象観念(物事には縦・横関係で結ばれた抽象度の階層が存在する、ということ)を意識しないと、意見の食い違いが発生することがあります。

 

その原因は「物事をみる観点のレベル」が違うことによって引き起こされます。

 

詳しく説明すると、「具体的」「抽象的」という観念で人をみたとき、2種類のタイプに分かることができます。

 

ポイント

A:具体レベルでしか物事を見れない人

B:抽象レベルで物事を見れる人

 

自身が、上記のAとB、どちらの傾向が強いかを調べるには「500ページの本を3分で説明する」ことを試してみると分かります。

 

Aの人はこの問題に対し、時間がないからということで「序章の部分だけ説明」や「各章の冒頭部分だけ」といった方法で本の説明をしようとします。

 

それに対しBの人は、その本の「要するに何が伝えたいか」という観点で必要な情報を抽出します。

 

抽象化を身に着けると、膨大な情報を目の前にしても、目的に応じて、「全体像」から「構造」を抽出し、必要な情報をくみ取ることができます。

 

そしてコミュニケーションについての話に戻りますが、Aの人とBの人の意見の食い違いが発生する原因は、上記のような物事の見え方の違いによって発生するのです。

 

抽象度の高い概念は見える人にしか見えない、という特徴があります。

 

際ほどの「本の説明」で例えるなら、抽象レベルで物事を見ているAの人は、全体像からメッセージを読み取って必要な情報を抽出しているのに対し、

 

具体レベルでしか物事が見れないBの人は、全体像が捉えられておらず、一つ一つ個別の事象に見えています。

 

それゆえに、それぞれが同じように重要で、説明するために「切り捨てる」ことは「不謹慎」なことだと考えます。

 

 

これは、ある分野に秀でた人が、その分野の全く未経験の人に説明するときのことを想像すると分かりやすいです。

 

経験者は何も難しいことだと思っていないことが、未経験者には意味が分からず「ぽかん」としてしまう。

 

経験者が全体像の事を説明しても、未経験者は、理解できない一部分が気になって全体像が把握できない、ということはよくあるケースだと思います。

 

こういった見える世界の異なるAの人とBの人のコミュニケーションには抽象観念を念頭に置いたうえで行うことが重要です。

 

Aの話が分からない人・見えていない人は、「もしかしたら私には見えていない抽象観念の話をしているのではないか」「表面的なことでなく、そこからつながる本質的なことを説明しているのではないか」という視点を持つこと。

 

そして②の見えている人は、相手が得意としている領域に当てはめて説明することで、伝えたいメッセージが見えやすい位置に誘導することが必要になります。

抽象化で分かる仕事の適正

コミュニケーションだけではなく「抽象観念」は自分にあった仕事を選択する際にも役にたちます。

 

その理由は、おおよその仕事とは、「抽象から具体」への変換作業であり、その上流・下流によって抽象レベルが異なるためです。

 

実行に近づくにつれ具体的になっていく

 

ここで注意しないといけないことは、上流の仕事(抽象レベル)から下流の仕事(具体レベル)へ移行するにともない、仕事をスムーズに進めるためのスキルが変わっていきます。

 

上流 下流
・抽象度が高い

・全体把握が必須

・個人の勝負

・少人数で対応

・創造性重視

・多数決は効果なし

・具体性が高い

・部分への分割が可能

・組織の勝負

・多人数で対応

・効率性重視

・多数決の効果あり

上流の仕事とは主に、コンセプトや全体の構成を決めるといった抽象度の高い仕事であり、個人の創造性が問われる内容のため分業は難しい、といった特徴があります。

 

それが下流に進むにつれて具体化されていき、作業自体が増えてくるため分業も可能になります。

 

また、求められるスキルも創造性から、具体的なかつ専門的なものに変わります。

 

ここまでを踏まえたうえで自信の適性に合った仕事は上流か下流、どちらに合うか想像してみると自身のキャリアの構築に役に立ちます。

 

「抽象度が高く、創造性が問われる個人の仕事」に居心地の良さを感じる人は上流の仕事が向いている傾向にあります。

 

「実行する内容が具体的で、協調性が問われる集団の仕事」にやりがいを感じる人は一般的に下流の仕事が向いていると思います。

理念・哲学のメリットとは

企業やスポーツ選手がよく「哲学」や「理念」といった言葉を使います。

 

「自分の哲学を持つ」「理念のある会社」などといった、とても抽象度の高いこの概念の有無で「具体的な行動の統一感や方向性」が変わります。

 

その具体的なメリットが以下の3点です。

 

①無駄がなくなる

 

哲学や理念のない人は、その時の雰囲気や気分で判断してしまうため、行動が場当たり的です。

 

そのような統一性のない行動は後戻りや二重作業の原因となるため、「目的達成」という観点で観たときの効率性がとても悪いです。

 

②すべての行動に責任者が出る必要がない

 

組織の場合、哲学や理念により大まかな方向性が一致していれば一つ一つの個別の対応に責任者が出てくる必要はありません。

 

逆に方向性を示す理念がない場合、それぞれの行動にむらが生まれてしまうか、責任者がすべて出ていって対応する必要があります。



『具体と抽象』読了後に起こす行動

抽象化は人間の知性の基礎とも呼べる必要不可欠なスキルですが、「抽象⇔具体」を繰り返してこそ真価を発揮します。

 

抽象化を行うことで自分の理念を形成し、自分の目指すべき方向性が定まった後は、具体的な行動に変えていきましょう。

 

以下の記事では「行動」にフォーカスを当てています。

 

もし「自分のやりたいことは分かっているのに時間がないorうまくいかない!」という方は、参考にしていただければありがたいです!

図解で解説『アウトプット大全』要約 ~アウトプットの重要性編~

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まとめ:抽象化だけでは生きにくい?

ここまで「抽象化」について紹介してきました。

 

目標実現のためには避けては通れない「抽象化」ですが、デメリットも存在します。

 

よくも悪くも身の回りの事実を「解釈」することを覚えてしまった人間は、自然をありのままに眺めることが非常に難しくなってしまっています。

抽象レベルの観念はそれが固定化されやすいという性質を持っており、これが偏見や思い込みを生み出し、それが私たちの判断を狂わせます。

『具体と抽象』 P127 終章 抽象化だけでは生きにくい より

またコミュニケーションに関しても、抽象的な視点を持つことで意見の食い違いを起こしてしまう場合もあります。

 

そういったことに対し、重要なことは「抽象化」と「具体化」をセットで考えることです。

 

抽象化して物事を観察・分析したら必ず行動に移すこと。

 

そして行動の後は再び抽象レベルで観察・評価し、行動の改善を行う。このサイクルが抽象化の効果を発揮し、かつ、行動の効果を最大まで高めるものだと思います。

 

それでは『具体と抽象』の要約はここまでとなります。

 

この記事をよんで本書に興味が湧いた方はぜひ、『抽象と抽象』一度手に取ってみることをお勧めします!

 

ここまで読んでいただきありがとうございました!

 

 

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